放送局(スタジオ)の防音工事

〜テレビ・ラジオ・ビデオスタジオなどのように大規模なものから、小規模な編集スタジオの防音工事まで幅広く対応〜

防音シート、吸音材、防振材など、自社製品の各種防音材を使用し、テレビスタジオの防音工事を行っております。NHK、日本テレビ、テレビ朝日、TBS、フジテレビ、テレビ東京など国内の多くのテレビスタジオに採用されており、KBS(韓国放送)やベトナムテレビなど海外のスタジオでも採用され好評を得ております。また、近年では、動画配信のためのスタジオの需要も多く、放送局並みの品質を求める大規模なスタジオや情報発信、CG制作の為の小規模なスタジオなど多種多様に対応いたします。

放送局(スタジオ)の防音工事4つのポイント

①遮音

余計な雑音が外部からの騒音や空調設備などの騒音がなくスタジオ内の静けさを保つこと。

②防振

個体伝搬音を防ぐ事で遮音性能を向上する。

③吸音・音響

スタジオ内の響き具合を設計し、音声や音楽が明瞭に聞こえる事。

④室内騒音

スタジオ内の静けさを保つ。

①遮音

遮音は室内の音が外部へ漏れない様にすること、外部の音が室内に入らない様にすることが基本となります。テレビスタジオでも基本的には外部騒音を目安に設定して行きます。隣接する室の状況・使用目的などを加味して遮音性能を設定します。当社では対策前・後の遮音性能のシミュレーションを行い、事前に効果を予測したご提案をいたします。対策前・後の測定を行うことも可能です。

テレビスタジオの防音性能は、D値という遮音性能の等級で評価されます。D値と人の聞こえ方(感じ方)の対応はおおよそ下記表のような関係になっています。これにより、隣室の使用条件によって必要な防音性能は変わりますが、D-65~D-75程度が目標値となります。

遮音性能D値とは

遮音性能の評価として、図-1に示すJIS A 1419-1(2000)『建築物及び建築部材の遮音性能の評価方法−空気音遮断性能』に示される空気音遮断性能を評価するための基準曲線を用いて評価します。各周波数における測定値をプロットし結んだ曲線に対して、等級曲線を全て上回る等級曲線をその等級と評価します(各周波数2dB許容)。図-1で示した例ではD-40となります。また、遮音等級D値について表-2の評価表(日本建築学会推奨基準)を用いて評価します。

図-1 空気音遮断性能(遮音等級曲線)
表-2 空間平均音圧レベル差に関する適用等級

②防振

建物内部の設備機器やテレビスタジオのレイアウトによって上階の歩行音などが振動となって建物を振動させます。これを個体伝搬音と言いますが、これを抑える為には防振構造と言って部屋を浮かせる必要があります。

具体的には、防振ゴムを使用して床や天井を浮かせる構造となり、防振と言ってもただゴムを挟めば良いと言う訳ではなく、建物や選定した遮音構造に応じた適切な防振ゴムの選定が必須となります。即ち適切な防振設計が部屋の遮音性能に大きく影響します。適切な防振ゴムではない、あるいはグラスウールを敷いただけの浮き床の場合、低音域で共振してしまい重低音は聞こえると言う現象が起きます。仮に遮音性能はD-65を満たしていても、D値は125Hzからの規格ですので、それ以下の周波数はかなり悪い遮音性能となってしまいます。

遮音・防振と言っても建築物の条件や使用する材料について、音響的に専門的な知識や経験が必要となります。

③吸音・音響

テレビスタジオでは、部屋全体を吸音する事も大切ですが、フラッターエコーなどの音響障害がない空間作りが大切です。吸音も大切ですが、吸音しすぎてデッドな空間ではつまらない音響空間になってしまうため、音楽ホールなどと同様に響きを大切にした音響設計を行います。

室内の響き具合の目安に残響時間と言う定義があります。これは60dB減衰するまでの時間を表し、室の容積が大きい程、残響時間は長くなります。

使用する室の容積や目的によって、最適残響時間は異なり、テレビスタジオの目的に適した残響時間を設定し、部屋の内装材を選定して行きます。

残響時間を最適なものにしただけでは、フラッターエコーなどの音響障害が発生することがあります。フラッターエコーとは平行する壁や天井、床に音が反射し、反射した音がさらに反射を繰り返す事で起こる不快な音響障害の事です。風呂場で歌ったりする時にも起きるもので、普通の部屋で手を叩くと"ビーン"と言った音が断続的に聞こえる様な感じになります。

これをコントロールするには、平行する対面に吸音材をランダムに配置する、平行面をなくす(壁や天井に斜めにする)、拡散板を適度に設ける(ホールの壁や天井にある凸凹したものが例です)など様々な技術が必要とされます。当社では対策前・後の残響時間のシミュレーションを行い、事前に効果を予測したご提案をいたします。対策前・後の測定を行うことも可能です。

一言に音響調整と言っても、感覚的な要素も多分にあるため、施工途中でユーザー様に実験して頂く場合もあります。

④室内騒音

テレビスタジオでは、音声を録音する為の部屋ですので、外部の騒音やエアコンの音が大きいのはNGです。外部からの騒音は室内〜外部へ対する遮音・防振を行う事で問題ありませんが、エアコンや換気扇の音は『消音』と言ってダクトからの音を減衰させる必要があります。必然的にエアコンは壁掛けエアコンなどではなく、ダクト式を選択する事になります。ただし、この技術はレコーディングスタジオやホールなどでも用いるもので、コストアップになる事もあり、ご予算に応じたご提案を差し上げます。

また、大規模な放送局では複数のスタジオが併設されたレイアウトになることが多く、スタジオ同士の遮音性能は勿論のこと、電波の侵入対策のための電磁波シールド工事が必要になるケースがあります。防音工事と電磁波シールド工事を融合させた技術が必要です。

より良い音質の録音には、室内の静けさが必要となります。室内で生じる騒音源は、外部から侵入する騒音及び室内で生じる設備騒音です。室内騒音の設計目標は下記表に示すようにテレビスタジオでは、NC-25~30程度です。また、外部騒音については建設予定地の環境騒音を事前調査し十分検討した上での設計が必要となります。

放送局(スタジオ)の防音工事費用

100万円/坪〜

放送局(スタジオ)の防音工事の流れ

お客様のご相談・お申し込みから、設置・施工完了までの流れをご説明します。
下記の流れは一例です。そのほかに必要な工程などがありましたら、ケースに応じて対応することも可能です。

STEP1

ご相談

音に関するお悩みやご希望なら、防音工事に関することなら何でもお気軽にご相談ください。
また、お部屋の目的やご要望をお聞かせください。

STEP2

計画・設計

お部屋の広さ・構造・使用目的など各条件をもとに、音響性能を綿密に考慮した基本設計案を作成いたします。

STEP3

ご提案

ご要望・ご予算に合わせ、最適なプランをご提案させていただきます。この際に遮音性能、残響時間など音響諸条件について計算してご説明いたします。

STEP4

ご契約

設計案・お見積書を十分にご検討いただき、ご契約をさせていただきます。

STEP5

施工

ご経験豊かな弊社スタッフが、責任をもって施工をいたします。

STEP6

音響測定

設計通りの音響性能が担保できているか測定して確認いたします。

STEP7

アフターケア

施工後のメンテナンスは、万全の体制でおこないます。

放送局(スタジオ)防音工事実績

日本テレビKスタジオ防音工事1985年8月
日本テレビ音楽院スタジオ防音工事1986年2月
NHK甲府放送局スタジオ防音工事1986年8月
東京放送スタジオ音響工事1987年3月
四谷工房スタジオ放送スタジオ工事1991年12月
三菱電機郡山工場試聴室防音音響工事1992年3月
NKK生田マンション計画環境騒音振動調査コンサルタント1992年11月
日経ビデオバンク編集スタジオ防音工事1996年9月
カプリシオソバーチャルスタジオ工事1997年8月
日本福祉放送東京スタジオ、スタジオ工事1997年8月
TBS緑山音響内装工事1999年3月
ギミックワークス録音ブース設置工事1999年5月
TBS赤坂編集室音響内装工事1999年6月
TBS緑山編集室音響内装工事1999年10月
NHKテント2000防音シールド工事1999年12月
TBS赤坂6階HD第2編集室改修工事2000年8月
TBS緑山MA室音響内装工事2000年9月
テレビ埼玉アナウンスブース防音工事2000年12月
TBS緑山第3編集室防音音響工事2001年3月
TBS緑山第3編集室防音音響工事2期工事2001年9月
TBS緑山MA室モニター改造工事2002年5月
(株)ビーグル編集室内装工事2002年5月
TBS緑山第2編集室音響内装工事2002年12月
NHK放送センター公開スタジオ 防音シールド工事2003年12月
ESP学園13号館TVスタジオ新築工事2004年6月
(株)ビーグル編集室内装工事2004年9月
スカイパーフェクトTV内装工事2005年9月
KBS編集室音響内装工事2005年12月
赤坂ビデオセンター編集室音響内装工事2006年9月
(株)アムレック編集室音響内装工事2006年9月
(株)アムレック編集室音響内装工事2007年5月
スカイパーフェクトTV内装工事2007年6月
赤坂ビデオセンター編集室音響内装工事2007年10月
NHKスーパーハイビジョンシアター音響設計2008年8月
スカイパーフェクトTV スタジオ防音・音響工事2008年11月
赤坂ビデオセンター編集室音響内装工事2009年3月
赤坂ビデオセンター編集室音響内装工事2009年11月
スカイパーフェクトTV内装工事2009年11月
NHK横浜放送局 スタジオ防音・音響工事2010年7月
NHK放送センター スタジオ防音・音響工事2011年8月
FOXインターナショナル・チャンネルズ 収録スタジオ防音・音響工事2013年3月
アムレック編集室音響内装工事2013年7月
TBSテックス様 放送センター6階 編集室音響工事2014年2月
TBSテックス様 放送センター6階 編集室音響工事2015年7月
NHK技術研究所 8K試験放送展示室 防音工事2016年3月
赤坂DTビル模様替工事(MBS毎日放送)2020年3月
新国立競技場内 仮設スタジオ建設工事2020年5月
TBSテックス 編集室工事2021年2月